J-Bridge System(JBS)って何が得?大学はみんな導入するのですか?
J-Bridge System(JBS)は河合塾が提案した大学入試加点システムです。
今までの受験方式の一部(総合型選抜、一般選抜)がOP参加して面接するだけで合格する。
一般選抜の学科科目で合格するのでは学生が辞めてしまうのを防ぐために導入されました。
JBSを採用している大学
JBSを採用している大学は令和シングル現在(’23年度入試)では以下の通りです。
- 九州工業大学(総合型選抜Ⅱ)
- 佐賀大学(一般選抜)
- 大分大学(一般選抜)
- 前橋工科大学(一般選抜)
- 叡啓大学(総合型選抜)
- 産業能率大学(総合型選抜・未来構想入試)
- 横浜創英大学(総合型選抜)
- 京都文教大学(一般選抜)
- 西日本工業大学(一般選抜)
これからもますます増えると予想されています。
受験する学生はWeb出願が前提。
京都文教大学の様にスマホから出願。
万が一受験当日コロナで会場が閉鎖されても、ある程度まで採点されるように
将来的に幅広くJBSを活用する大学もあります。
JBSのメリット
JBSの受験生側のメリットは以下の通りです。
- 将来的にスマホから出願できる大学が増える
- 出願締め切り前日まで大学を選べる
- 滑り止めで受ける大学のミスマッチを防げる
一般選抜に加点される点数はまだまだ低いものの、
それなりの成果があがってきているJBS。
大学側のメリットは以下の通りです。
- Web上で評価できるので事務作業が効率アップする
- 導入した大学同士、連携が取れる
- 学科、面接と組み合わせ学生の正確な評価が可能
共通一次やセンター試験はあれだけの受験者数があったにも関わらず
正確な受験データが残っていなかったことが後に大きな問題となりました。
膨大な紙のデータの紛失が主な原因ですが、
JBSシステムの導入により変わると見込まれる大学は増えるでしょう。
ではJBSを採用した大学の違いはなんでしょうか。
佐賀大学の特色加点制度は申請者9割
佐賀大学のJBSは特色加点制度と呼ばれ申請者は9割にのぼります。
以下の条件にあてはまる人が使える制度です。
- 合格最低点ボーダーの一般選抜受験者
- 小論文400文字
- 課題は『高校時代の活動実績』『大学のアドミッションポリシー』『入学後の学習と関係論』
- 教育学部、農学部は全員採点
- 学部によって配点は15~50点と大幅に違う。
- 農学部が一番多く前期1000点満点に50点配点
学科試験の得点数に比べ、わずかに加算されるだけですが
『それでも申請する』学生が多いのは驚きです。
JBSを申請した学生には以下の特徴があります
- 1年次終了時のGPAが他の学生に比べて高い
- 入学ミスマッチがない
- 九大の滑り止めで来た学生が多い』
申請しなかった学生は、一般選抜ならギリギリで合格できるだろうという
見込みで出願している学生が多く、中退者につながることも判明しました。
こうした学生データを電子化することで、入学ミスマッチを防ぐのも
大学の生き残りにつながります。
JBSのデメリットは?
一方JBSには導入直後からデメリットも出てきています。
JBSを導入した大学は、受験前に前もって大学HPのWebから決められた文字数で
小論文を提出することが義務付けられています。
テーマも各大学ほぼ一辺倒(ガクチカ、アドミッションポリシー)であることから
対策も練りやすく、回答は一辺倒。
誰が書いても大学次第で模範回答丸写しで合格してしまう危険性があるのです。
これでは折角大学側が入学ミスマッチを防いだ意味がありません。
JBSも改善の余地があると思われます。