【浅井学園不祥事】ホステスに月50万、パワハラ横行、ハワイで豪遊、北のFラン不祥事は何故起こったか？

北のFラン大学のひとつ、北翔大学は’06年まで浅井学園大学というFランでした。
浅井学園大学時代も、北風沙織さんをはじめとする有力選手を多く輩出する一方で、2代目理事長の傲慢な経営ぶりは
20年以上経った今も語り継がれています。

浅井学園の不祥事はいつから始まったのか

浅井学園は、現・杉野服飾大学の基礎を作った杉野芳子さんのお弟子さんである浅井淑子さんが、北海道にドレスメーカー学園を作ったことが始まりです。浅井さんの旦那さんである浅井猛さんは実業家であり、1990年まで浅井学園で理事長を務められました。

’90年代までの浅井学園及び、ドレスメーカー学園の方は健全な経営だったといえます。
’90年に入り理事長が2代目で・同学園の教授だった浅井幹夫氏に変わった途端、公私混同した乱脈融資やワンマン経営が始まりました。

2代目理事長の浅井幹夫氏が北海道警察に逮捕されたのは、’05年11月。

学園が出資する架空の人材派遣会社『カレッジ・メンテナンス』(同年3月に解散）の元社長で学園参与・大橋巌（事件当時58歳）と、
ホステスの元無職の女性（事件当時36歳）を業務上横領の罪で起訴・拘置。

’03年4月から’04年8月にかけて理事長、大橋容疑者と浅井被告が親しくしていたホステスの3人との間に架空の雇用契約を結び、
大橋容疑者は『カレッジ～』の経費を管理。ホステス名義の口座に月50万振り込んでいたことが発覚。
総額約600万円、20数回にわたり振込横領していたのです。

警察の調べに対し浅井被告は『（ホステス）は実際に働いた』と容疑を否認。
大橋容疑者は『働いていた事実はない。浅井被告の指示で振り込んだ』と供述。
ホステスに至っては『話せない』と責任逃れもいい所の供述です。

『カレッジ～』は’02年に学園出資で設立。
名目上は学園への職員派遣を主な業務でしたが、学園に派遣されたはずの職員が、
浅井被告宅の家政婦や犬の世話もしていたという話もありました。
が、大橋容疑者は学園の財務部長を兼任しており、いわば学園の金庫番的存在。

浅井容疑者の乱脈経営事件は『3度目』の逮捕であり余罪があったというのです。

近年大学補助金申請に対するガバナンスは厳しくなっていますが、これも浅井学園の様な不祥事が’00年前半に
相次いだからです。

申請していた大学がFラン・ワンマン理事長とあれば、大学側の汚名になりますよね。

浅井被告は補助金の申請でも余罪がありました。私学補助金申請のチェックの甘さをついたのです。

補助金申請段階で建設会社三社に見積もりを提出させ、そのうちの1社は浅井氏の親族の会社。
受注した業者も建設業法を取っているかどうかも不明。
耐震補強が実際行われていたかも不明というずさんなものでした。

文化省が補助金を出した浅井学園の名目は主に『耐震補強』と『プロジェクト研究型』。
申請すれば8割通ると言われるものだったのです。

私学の補助金を担当する文化省私学助成課は数人しかいない。
国からの直接補助金を決める係官となると5人以下なのです。

その3人でどれだけの案件をさばくか、多くて年間1500件以上もの補助金案件を裁くのです。

全国の学校法人案件を助成課の国家公務員が調査するのは実質不可能。
良心的な学校法人や、本当に潰れそうで困っている大学の裏側をかいた
あくどいやり方だったのです。

初代理事長だった浅井猛氏が妻に尽くし、戦後すぐにドレスメーカー学園を北の大地に作った時は、
子育てもしたというのに、息子である2代目の浅井被告は、持ち上げられてモノにはならなかった。

アイビールックで登校し女性にチヤホヤされて育ったせいか、教授になってもワンマンな性格は
治らなかったのです。

会議で出された仕出し弁当がまずければ怒鳴り散らし教授時代な下ネタのオンパレード。
教員はいつ辞めさせられるのかとパワハラに怯えていたというのです。

そして自分は『大学の研究施設名義』で購入した何億もするハワイのプール付き別荘で豪遊し、
現地でBMWを乗り回していたのだから、現地の人からみれば大学の理事長ではなく土地ころがしに見えたでしょう。

浅井氏が逮捕された後、浅井学園は大学名を一新、内部人事を変え、北翔大学と名前を変えました。
当時を知る人は胸をなでおろしているだろうし、勇気をもって当時の事を報道してくれた新聞社の方は、
事件を明るみに出してくれたことに、多くの人が感謝しているでしょう。