「Fラン大学の入試問題は不適切」文部科学省が注意


●あまりに簡単過ぎるFラン大学の入試問題が文部科学省から注意を受ける事態に

ここまでの記事で見てきたように、Fラン大学における一般入試は本来の目的から大きくかけ離れており、またそこで出題される問題もまるで冗談かのような問題が出題されています。

 

近年ニュースになったようなものでは、Fラン大学で課された入試問題が中学生程度の内容であったため、大学入試の問題として不適切であると文部科学省より注意を受けた例もあります。

●文部科学省がFラン大の入試問題を注意した記事(抜粋)

文科省は2015年2月19日、講義内容や運営方法などに不備があるとして、改善を求める大学253校を公表した。新設された大学や学部を昨年度から調べており、対象となった502校の約半数に問題が。多くは学生の定員割れや、教職員の高齢化などだったが、大学としての適格性が問われるのも少なくなかった。

 

千葉科学大(千葉県銚子市)は、一部の講義でレベルの低さが問題視された。たとえば「英語1」の講義。同大のシラバス(講義計画)によると、冒頭から「be動詞」「過去形」「進行形」と、中学校レベルの内容が並ぶ。「基礎数学」の講義でも、割合(百分率)や小数、四捨五入とは何か、から教え始める。

 

つくば国際大(茨城県土浦市)でも、「化学」の講義が元素や周期表の説明から始まったり、「生物学」では光合成やメンデルの遺伝法則を一から学ばせたり。こうした実態について文科省の調査は「大学教育水準とは見受けられない」と指摘しており、改善を求めている。一方、入試を巡って、受け入れ数や選考基準が不明確だったりするケースも調査で明らかになった。

 

太成学院大(大阪府堺市)では、書類と面接で合否を決める「アグリーメント入試」を実施しており、選考基準について「学生と大学が同意に達したら入学を許可する」と説明してきた。しかし、文科省の調査は「同意以外の判断基準が明示されておらず、どのように合否を決定しているか不明」として、見直しを求めている。

 

北翔大(北海道江別市)では、大学院の募集要項に「可能な限り受け入れる」との表現があり、適切な選抜が行われていない印象を与えると指摘された。同大総務部によると、試験には論文と面接があり、「適正に競争原理に基づいて選抜している」とのこと。ただ、受験者には社会人が多く、合格しても入学を辞退する人が多いため、できるだけ志願者を集めたかった、と説明している。

 

ほかにも、「併設校からの内部推薦など募集要項に記載されていない入試区分が存在」(大阪府守口市の大阪国際大)、「留年生が多数生じており、また、在籍学生の学年ごとの評定平均が下の学年ほど低くなっている」(兵庫県宝塚市の宝塚医療大)、「開設以来、学生が1人も入学していない」(千葉県我孫子市の川村学園女子大・大学院人文科学研究科教育学専攻)などの例が指摘されている。

(引用:講義は中学レベル、入試は「同意」で合格。文科省がダメ出しした仰天大学

●このひどすぎる現状は解決しないといけない

大学側としても、このような入試問題では学生の選別をしっかりと行うことができず、長い目で見た場合自分の学校の質を落としてしまうことは十分に理解しているはずです。

 

しかし、それでもこのような形骸化した入試制度が横行している背景には、こうでもしないと学生を集めることのできない少子化の影響と、学生を集めさえすればビジネスとしてなりたっていくという受験産業の闇が見て取れます。

 

頭がいい学生やまともな学生は良い大学に入ろうとするため、学力レベルの低い大学に学生が集まらず、結局こうなってしまうのは仕方がないことかもしれません。

 

とはいいつつも、さすがにこの酷過ぎる現状はなんとかしないと、「大学」という存在自体の価値も下がってしまいます。

 

文部科学省には抵抗勢力に負けずガンガンお仕事をして欲しいものです。それとも、文部科学省が天下り先などにFラン大学を利用しているため、この現状は解決する必要がないのでしょうか。

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