司書の資格は非正規雇用しかない?!手取り10万以下って悲惨すぎる…


Fラン文学部の資格一覧表に必ず上がっているのが司書です。
国家資格の図書館司書は正規の公務員として働ける人は学生の親世代の夢。職員の非正規化が進み、副業なしではやっていけません。

手取り98000円、服は買えない

’22年8月、署名サイト『Change.org』で非正規雇用司書の実態を訴えた20代の女性がいました。
1日7時間、月18日働き、最低賃金+40円、年収は150万。1人暮らしは出来ず、実家で細々と暮らしている。
服は1シーズンに1着、娯楽に使えるお金もなく、外でジュースも飲めないといいます。

©change.org

署名にあたり、司書の方が訴えた内容は以下の通りです。

  • 雇用年限の撤廃
  • 最低賃金2000円
  • 退職金の支給
  • 図書館員の研修充実と、研修費の補助

本への愛があっても生活苦だということを訴えたいのだろうと思います。
’22年11月までに、70,630人の賛同者が集まり文部科学省と総務省に署名簿を提出。
実態調査にこぎつけました。文部省によりますと、司書の数は把握しても、賃金格差や待遇について全く把握していないのです。

私立図書館をこの間退職して退職金を沢山貰った司書のおばさんと、生活苦にあえぐ非正規雇用の方とでは、格差があるのも判ります。

学芸員と並ぶ官製ワーキングプアの司書

図書館司書の資格は難関ではありません。
文部科学省が指定する大学で2カ月ほど司書講習を受講します。
15万ほど費用がかかりますが、お勤めの方は、一般教育訓練給付講座で費用が一部戻ってきます。

問題なのは人材が余りすぎの買い手市場なことです。

バブルの頃は日本の財政が黒字だったので、司書、学芸員、地方公務員は『大学卒業後、楽してお金が貰える安定の職場』として知られていました。しかし令和の現在、司書、学芸員は非正規雇用『官製ワーキングプア』になりました。

図書館司書は、資料の貸し出しや返却対応といった貸し出し業務に専念し、他は事務職員に任せればいいと考えている人もいるかもしれません。それ以外に書籍の選定や分類・整理、目録の作成、利用者に対する情報提供など、仕事内容は多岐に渡ります。
正規職員より1時間早く仕事をあがりますが、その後の残業の残業手当はつきません。

署名に賛同する声も多い一方で、『好きな仕事を選べるのに文句を言うな』『いやなら転職しろ』『週4日勤務ならそんなもの』という辛辣な声もあがっています。

何故図書館司書の正規雇用が激減した?

図書館司書の正規雇用が激減した理由のひとつが、’03年からはじまった指定管理者制度があります。

図書館、美術館、公民館、保育園、生涯学習センター、プールなどの公共施設を民間企業やNPO法人が管理できるようになり、
運営にかかるコストを削減するようになったのです。

公立図書館の指定管理者の割合はたったの2%

公立図書館における司書有資格者の実態調査のアンケート調査によると、
20代は全体の2割に満たず、圧倒的に多いのは資格さえ取れれば大学の司書や、図書館司書に
居座ることが出来た親世代(40代以降)です。

正規雇用以外は、司書は非正規で賄うという財政不足が明らかになった今、
公共図書館の数は’91年1984館から、’21年には3316に増えています。

公立図書館の指定管理者の割合はたった2%で、正規職員(指定管理者)になる数は年間100人の狭き門。既に正規雇用となっている40代後半~60代の大量退職を待つしかありません。

図書館司書の平均年収は584万4000円で平均年齢は43.3歳ですが、
正規職員と非正規職員で差が大きく、非正規職員の中には150万円~200万円ほどの年収で働いている人もいます。

韓国や欧米では司書のランク分けがある

署名サイト『Change.org』では司書が学ぶ場を作ってほしいと明記されていましたが、
欧米各国や韓国では司書の専門性が重視されていて、ランクわけがされています。

韓国では、文化観光部が司書を認定しています。
準司書、2級司書、1級司書が存在し、最低学歴は、準司書が短大、2級司書が学士・修士、1級司書が博士となっています。
1級司書となると司書経験10年以上と博士号を求められるので、学ばざるお局は必然的に業界からはじかれるのです。

いかがでしょうか。
諸外国の司書は学べば学ぶ程待遇はよくなりますが、日本は貴重なアーカイブがあるにも関わらず、司書の存在を無碍にしているかと思います。

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